ニット(編物)と布帛(織物)の違いの話

この2つの違いを理解しておくのは大切です

大切だけど、シンプルな内容です。

洋服の素材は大別して

・ニット(編物)

・布帛=フハク(織物)

の2つに分けることが出来ます。
僕らが大好きなレザー(革)は別途と言った感じですが、基本的には縫い上げの工程としては布帛に近いと思います。

俗に言う「カットソー」は「編み物(織り物と区別して)を切って(CUT)縫った(SEWN)服」と呼ばれます。

対して布帛を縫い上げたアイテムの呼び名は特に無いですね・・・。切って縫うって言う意味では一緒ですが不思議です。

ニットという響きはなんとなく一般生活でも聞くことがありますが、この布帛という言葉は割と洋服好きでないと聞かないと思います。生地というのはあくまで糸を編んだり(=ニット)、織ったり(=布帛)して出来上がったものですので「ニットの生地」、「布帛の生地」と呼ぶのが正しい知識となります。(たぶん)

ニットは編みの特有さで基本的には横伸び(横伸縮)するのでTシャツやスウェット、肌着や下着など「グイッとしてフィット」なアイテムに向いています。

布帛はポリウレタン(=エラスタン)などの伸縮素材の糸が混じっていない場合には大きな伸縮がないので「ニットのアイテムの上に着るもの」と考えれば良いかと思います。

時に「ニット調の布帛」や「布帛風のニット」なんてのもありますし必要用途の為に「伸びのないニット」なんてのもありますが、ユーザーである皆様はそういった知識は特別必要ないと思いますので、結局は仕上がっているモノそのものの良さや好みでお買い物をすれば良いと思います。
そういう意味では別にニットと布帛の違いも知らなくていいじゃん〜ってなりそうですが、うちの辞書に加える理由としては商品の説明の時にこのニットと布帛という言葉を多用するからです。そういう意味でまぁ知っておいても損はしないし洋服好きの知識言葉ってくらいで覚えておいて貰えると助かります。

他に大きな違いとしては大きく工場もこの2つによって大別されます。(もちろんレザーは別途レザー専門がほとんど)
理由としては

・伸びのあるニットと伸びのない布帛では使う(縫う)ミシンが違う=使う糸も違う

・技術的な意味での違いがある=型紙記載の縫いの仕様なども違う

だと思います。もちろん両方を同じ工場でこなすところもありますがそれでも部署的な意味やそもそもミシン等々設備が違うので工場内に両方を縫える環境があるというのが正しいかもですね。
縫いを担当する職人(縫製職人)は熟練の技術を持ちます。(もちろんピンキリだけど・・・)技術進歩なども進んではいますが一部を除いて(島精機という会社はセーターをそのまま編み立てる機械を作っていたり)洋服というのは今でも職人が1点づつ縫上げるというのが一般的です。手癖も含めての技術や個性が如実に出ることもまた洋服のある意味では面白味とも言えます。僕は自分がやっている Thee old circus というブランドでは様々な工場さんともお付き合いがありました。そういった中で上手だけど遅い、高いとか。安いけど上手じゃないとか・・・(値段も適正で技術も良いけど人柄が合わないとか・・・汗)いろいろとあります。用途やバランス。そういった中で最後は「人」となります。縫うことも、お金を払うことも、全部を含めて僕の先にいる皆様へ渡すものだからそういった部分まで納得いった工場さんとだけ今はお付き合いをしています。(あ・・・話が脱線してる)

とまぁ、今日はシンプルな説明です。
WEB STORE での商品紹介で使う言葉であり、Youtube 内でも良く出てくる言葉ですので一応程度で覚えておいて頂けると助かります。