リペアカスタム事例 _ レザー当布パンツ

リペアの「ついで」に「カスタム」も・・・

まずはビフォー(WEBから引っ張ってきた写真なのでPCで見るとちょっと小さいかも・・・)

— incarnation / インカネーション / 31777-6380 COTTON CO 100% PANTS SARROUEL #3 [T91 / SMOKE BLACK]

新品状態でこんな感じのアイテムをもう少しで2年くらいの時間かなり穿き込んでくれていて・・・

 

まぁ!なんと、驚きの味わいに。

「モノの一生と付き合うこと=一生モノ」

前回そんなことを書いたけど、それをまさしく体現してくれていることが売り手である僕らとしては心から嬉しく思うこと。
ちなみに預かったこのパンツは今回のリペアの前にも別の箇所がすでに一度破損していてそこも補修した記憶がある。

 

穿き込みすぎて左足の膝の部分の横糸が抜けてきて、素肌がみえるナチュラルクラッシュ加工になった状態(その状態の写真を撮り忘れた。汗)のところにお客さんの希望で「レザー貼り付け」をした。

このお客さんとはかれこれ10年以上の付き合い。

ショップの創設からずっと通ってきてくれていて色々とこれまでにプライベートの時間までも付き合いのある大切な弟分(子分じゃないよ)。

その大切な弟が「これ〜なんとかなりません?できればレザーも使ってカッコよく〜」

・・・

はい。

やったろまい!

ちなみに受けるのは俺ですが、実際にミシンを踏んで技を昇華させるのは専属のお直し職人(おばちゃん)またはうちのイタウ部長となります。(笑)

いや、俺だってミシンは踏めるけどそこは大切なお客さんたちからのお預かり品ですので、信頼度を優先で進めます。

んで、今回のこれはイタウ部長がミシンをフミフミ。

やば。

ちょっとピントがズレた。

うっすらとダメージ穴の奥に見えるのがレザー部分です。
穴自体をふさぐリペアも当然可能でしたけど、今回はリクエスト通りにリペアという方向性よりも「カスタム」に近い感じに仕上げました。

穴が空いた箇所が実に幸いな絶妙感で、かつ incarnation のパンツはワタリ(もも幅)が比較的太い構造になっていて、また今回のパンツは切り返し部分などにも恵まれて割と短時間で作業は終わりました。(あくまでイタウの作業ね)

パンツのクラッシュ〜リペアカスタムなどは結構依頼がありそうだし、個人的にも好きなスタイルなので今後も可能な限りは受けていきたいのだけれど、上に書いた部分が結構重要でパンツ自体が細かったり穴の開いた場所によってはパンツの脇の部分を全て一度解いてからカスタム、補修を加えてまた脇を縫い直すといった作業が必要になります。

今回は脇を外さずにギリギリなんとかミシンが入ってくれたので割とスムーズに治ったという話です。

クラッシュからのレザー当て補修リペア目安 2500円〜(脇を解く必要がある場合や穴の大きさ、レザーの指定などがある場合は要相談)

 

ブランドというものが存在する。
僕もいくつか自分でブランドを持って洋服やモノを作る立場の時もある。( thee old circus や Old GT とかとか)
ブランドとしてリリースするアイテムが、人に気に入られ買われていき、その後に着用を繰り返されて朽ちていく。朽ちていくとは素敵なことだと思うのです。

新品の商品は同一品質(もちろんハンドメイドなどでの個体差はあったとしても一定の品質を守ることがブランドの役割)であり、それらがその人の人生と共に朽ちていくことで初めて本当の意味での「オリジナル」へと変わっていくのだと僕は考えています。

その中でこんな風に「せっかく穴が開いてしまったからレザーを当ててさらにカッコよくしてよ」というリクエスト。

最高です。

その姿勢もそのマインドも。
僕はそんな風に思っています。
なにかあればぜひお気軽にご相談下さい。

* お直し屋ではないので他店様でのお買い上げ商品などの持込みには対応出来ないのでその辺りはご理解下さいな。