メンテナンス事例 _ レザーパンツ_#1_オイル充填+ケア

レザーパンツメンテナンス

BEFORE

AFTER

 

レザーのメンテナンスの依頼を受けたので撮影しながらケアをしてみました。

「ガッツリ穿いたのでお願いします」

とのこと。

 

写真のビフォーとアフターを見比べて貰えばわかると思いますが、スレ(主にベルト部分はどうしてもベルトとボディで摩擦がかかるので表面が擦れて色抜けなどが起こりやすい)の部分などの色が元の黒に近い状態で仕上がっているのが分かって貰えるかと思います。
かなり穿き込まれた革パン(初代に違い ” JB-5150 ” という Thee old circus の極厚ホースレザーパンツ=現在は革の手配等の関係で生産不可)で全体的に「オイル抜け」などの症状が多かったです。
とは言え、状態自体はそれ以外はさほどメンテ箇所がなかったので

・全体にオイルクリーム入れ

を中心に行いました。

 

まず最初にやることは当然ですが全体のチェック。

 

 

どんな状態か、どんな方法でメンテナンスを行うかを考えながらチェック。

仕立てで使用している革の種類、仕上げによって使用するオイルなどを変えています。

あとはお客様のリクエストによっても、「味は出来るだけ残したい」、「新品に近づけたい」などなど

で、表をチェックしたらすぐに

 

 

裏返して裏地や内側の状態もチェック。

裏地の破けなどは意外と着用者でも気がついていないことも多いのでそこもチェック。(今回は無事でした)
必要があれば縫い直しなどの処理も必要となりますね。

ここでチェックしてあとは「良い塩梅」へメンテを開始。

まぁ、この塩梅が本当に難しい。
どういう方向性へ持っていくか考え所。
今回は「お任せ」ということでしたので、僕としては「いい感じのヤレ感は残しつつ、馬革らしい光沢のメリハリをつける」ことにしました。それと同時に最初の写真にアップしように、擦れた部分は補色をせず(革の質感が変わってしまうので出来るだけ色は入れなくない)クリアのオイルの中で浸透性が高く、オイルのウェットな方向でスレて出来上がった部分の色を沈めて元の黒に近づけながらも全部マットに戻してしまうと味がなくなるので、適度な光沢の陰影を残した感じにしようと思いました。

 

 

白に見えますが塗って浸透させるとクリアのオイルで無色です。
今回は布などを使わず(だいたい僕は使わない=布の繊維などが革に混じり込んでしまうのが嫌)手に乗せてオイルを体温で少し溶かしながら浸透させていきます。

塗り塗り・・・うす〜く〜のばーして〜

ここがなかなか大変。

細かいところまで気をつけながら塗っては伸ばしてを繰り返すこと1時間くらい。

んで、写真はないけど最後に各箇所に専用のクロスで磨き(ポリッシュ)を掛けて光沢の濃淡をつけます。

最後にオイルがしっかりと馴染むまで写真の状態のように吊るしにして半日ほど時間を置いて完成です。

 

 

 

ちょっと写真がずれてるけど(汗)
それぞれ上がメンテ前で下がメンテ後です。

こんな感じで全体を仕上げました。
全体にオイルのウェット感が出て、それが適度な光沢になっていると思います。

 

お買い求め頂いた商品ですので、裏地の補修などがない場合のこのくらいのメンテナスは無料で対応致します。(お送りの場合は送料の負担のみお願いしております)

* 中古でお買い上げの場合などで当店のカルテに未記載の方はご対応不可の可能性がございます。(他店様購入で Thee old circus の場合はギャランティがあれば対応致します)

 

レザー商品に関わらず本当の意味での「一生モノ」として大切にして頂けるように僕らも可能な限りのメンテナンスやリペア、カスタムに対応していこうと思っております。

なにかあればぜひお気軽にどうぞ。