ワンピースで在るべき理由

「ワンピースブーツ」

平面的に言ってしまうとスルーされてしまう単なる洋服用語なのかもしれないが、その実それはとても深い理由づけがあり
また僕自身がインカネーションに依頼したファースト別注プロダクトというサイドストーリーも含めてこの店の RUST Colleciton においてもなくてはならない存在である

「ひと繋ぎ(ワンピース)ブーツだから生まれるデザイン」

通常であれば立体的な構造となるブーツは当たり前だけれどハギ目(縫目=シーム)は必須となる。(多くのブーツのデザインを見ればそれはわかると思う)しかしながらこのブーツは意図的にそれを排除することで通常の構造では味わえない独特のそのフォルムを生み出す

限られた枠の中でのデザイン
それの最終形態はやっぱり突き詰めた引き算で生まれると思う
まさしくこのブーツはそれを具現化させたデザイン

—– incarnation / インカネーション / Thee Session / 11V-7157VB-EDEN / HORSE LEATHER BACK ZIP ONE PIECE LINED VIBRAM SOLES

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お時間あればこちらのライブ配信時の紹介もご覧ください

* Youtube の詳細箇所にアイテムごとのタイムテーブルリンクを貼っておりますのでご活用ください


冒頭でも書きましたが実の実はすごくすごく長い道のりを経てこのブーツは生まれている
incarnation の OGAWA 氏と出会い最初にお互いで言ったこと

「どうせならちょっと他のディーラーとは違ったお取引をしましょう」

だった
もちろん理由は僕自身が通常のショップさまとは少し異なり自分自身のブランドを持っているから
そういった中でのセレクトという立ち位置の中でお互いに利益供与の関係性ではなくモノを生み出し扱う者同士だからこそ生まれる新しい価値観とスタンスにしようと決めた

今でも僕自身時々履いているし気に入っている最初のモデル
当時はまだ今のように製品染のブーツの技法はなく(実際には途中であったんだけど製造過程に大きな問題を抱えてそれを解消していくことで現在のリリースに繋がる)手染でのモデルがスタートだった。

・・・

早速だけれどどこかでも何度も書いているし常に言ってもいることだけれど、僕という人間はつくづく日々の中である意味では成長もしていないし進化もしていないのだと思う
10年前、20年前、ずっとスタイルも好みってものもロクに変わることなく似ていて、時に同じモノのブラッシュアップだけを追いかけているような・・・
でも、やっぱりそれが僕自身だと思うし僕のこの店の在るべき姿であり、進むべき道なのだと信じている。

変わることを恐れている訳ではなく
単に変わる理由がないだけ
だって目の前にはずっと「変わらずにカッコ良いモノたち」が待っているから

何度も言うように大きな特徴は通常であるべきはずの縫目、ハギ目(継ぎ目)を一切排除したデザインであること=ワンピース
その究極の引き算のディティールでしか生み出すことが出来ない

「甲部分のドレープ」

が最高で最強のこのブーツの強みであり奥行きです

光の当て方にコントラストをつけるとそれが如実に分かると思う
足の甲にあたる部分に刻まれたシワが大きな陰影を生み出す
履き込むごとにこのシワはさらに深くなり(同時に履き始めの状態ではやや後傾に寝ているシャフトもゆっくりと垂直方向 ↑ へと立ち始めさらに甲のシワの分量が増えていく)さらなる奥行きを生み出していく

唯一の縫目であり一枚で型取られた終結部分であるバックサイドは突き詰めた構造ならではのバックジップスタイルとなっているので脱ぎ履きはスムーズ
アウトラインをシンプルに構築することはその生活自体もシンプルにすることにつながると思う(ちょっと大袈裟?)

やっぱりいいよね
このフォルム
鬼気迫るシワの醍醐味はこのモデル×レザー(革)でしか絶対に味わうことの出来ないコンビネーション
存在感が抜群過ぎるので足元の際立ち方が他とはちょっと違います

重めの重量級アウターを羽織っても負けない力強い存在
足元を決めてから上着を決める
それって当たり前のスタイルの出発点

ラフな季節もこれ一発で格好がつく優れモノ

「絵になる存在」
それってなかなか難しいけど、まさしくこのブーツがそういう感じ

おかげさまで色々なカラーを作らせてもらったけれど・・・

うちのお店らしい(僕らしい?)この手のカラーはやっぱり人気者(上はE00NR バックスキン EDEN L.GRAY、下は 12NR バックスキン L.GRAY)

ちょっとだけシックに 91NR(バックスキンブラック)とかね
スエード面を使うことで光沢がマットになるのでパンツのアレンジが効きやすい(レザーパンツとの掛け合わせなど)のも大きな特徴

ROT-9(Thee Old Circus)のパンツとも絶大な相性感
フィッティングブーツももちろん僕自身の私物(12NR)

ま・・・
あとはやっぱり「コレ」かなぁ・・・

レザーパンツ×最高ブーツ

の組み合わせ
これにまさるものなし

自分だけのスタイルを作るのに一役買います
単に在るモノでもいいけれど
どうせならとびっきりのモノと一緒に生きると良いと思っています
それで少しでも自分の人生が楽しくなるから
僕はそんな風に思います

お時間あれば T.M.G.E(10分 Youtube)もぜひ参考にしてみてください

 

Posted by:Urano Takahiro ウラノ タカヒロ

Garage EDEN shop Editor.