若い頃には当然なのかこんな風に思うことはなかった。
大切なこと。
その数は減ったということがきっと正しい。
厳密に言えばそれは減ったというよりは、残り時間をぼんやりと考えている中で純化していった結果、絞られたというべきか。
仕事が好きだ。
心から。
それにまさる大切なことなどないとずっと考えている時期が長かった。
今はそれよりも大切なことがある。
当然ながら家族だ。
店を持つ者として普通であれば連休などを貰うことはあまりないと思う。
それが普通なのか。
8月、会員制というふざけた(心の底から真剣にふざけた)店に変えたことにはいくつかの理由があるが、その中でこれはあまり書くこともなかったのはとても個人的と言っていい内容だからだけれど、それはとても大きい。
自由に自分の仕事が出来る時間もそう多くは残っているわけでないという現実を感じながら、それは同時に家族と過ごす時間も共に毎日、毎秒減り続けていくという事実。
その砂時計は逆さになればその重力から逃れることは出来ないのだ。
9月の風が嫌いになった。
少し肌寒い雨の朝。
心から大切にしていた長女ワンコが亡くなった。
もう2年も前のことだ。
もう2年も経つのにその日のような風が吹くとどうしても怖くなる。
眠りが浅く朝まで続けざまには元々寝れないような人間ではあったけれど、あの日を境にそれが増えたまま。横に居ないことへの単純な不安。
飼い主ではなく、逆に守られていたのだと気づく愚かさに辟易とする。
帰って、返って、還ってこない時間。
どれほど悔やんでも悔やんでも。
あと少し一緒に居たかったしずっと一緒に居たかった。
偶然なのか神様なんてのが居るのかどうか。
いちごはカミさんのお父さんと同じ日に空に行ってしまった。
仕事があるありがたさと同時に家族との限られた時間も大切にしたいというわがまま。そのわがままの為にもわがままな店にした。
全力で、命がけで、死ぬ気で仕事に向かえるのはそこに待っていてくれる家族が居てくれるからこそであること。
ワンコたち。
今現在も闘病中のみるく、みるくの子供のここあとそらまめ。
そしてカミさん。
カミさんのお父さんに俺は会うことが出来なかった。
出会った時にはもうこの世界には居てくれなかったから。
だから、せめて命日である日はお墓で過ごす。
わがまま店主をお許し下さい。
休みではありますが、2時間のフライトでワン子どもたちは同じ座席には居ることが出来ずに怖い想いをさせてしまうので、それを避けて片道 1300km を車で往復します。
運転は当然ながら俺しかしませんし、休憩もほぼしないでぶっ続け運転ですので大抵はこの休みは逆に毎度の修行のようなものです。(笑)
とにかく安全運転で気をつけて行ってきます。
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